こんにちは。
今回は、中国新疆ウイグル自治区のお話です。
- 中国新疆ウイグル自治区のあらまし
- 中国新疆ウイグル自治区の現状
- 日本含む世界22カ国が中国のウイグル弾圧政策を批判する書簡を国連人権理事会に提出
- 英文記事を読んで英語を学ぶ方法
の順にご紹介します。
中国新疆ウイグル自治区のあらまし
中国の自治区である新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uygur Autonomous Region)は166万㎢で、
日本の37.8万㎢(北方領土のうち、4島のみ含めた数字)の4倍強、中国の約6分の1の大きさです。
「東トルキスタン」(トルキスタン:ペルシア語で「テュルク人(突厥)の土地」)とも呼ばれることから分かるように、
元々イスラム教を信仰するテュルク系民族が住み、中央アジア文化圏に属してきました。
しかし近年、中国により漢民族の移住や漢化政策が盛んに行われ、 現在の民族構成は、
ウイグル族 – 45%、漢民族 – 41%、カザフ族 – 7%、回族 – 5%などとなっています。
西暦1000年以後を考えても、ウイグル帝国やモンゴル帝国の支配領域で歴代中華帝国の支配を受けていない期間の方が長かったのですが、
清朝が征服して以降、ほぼ中華民国、中華人民共和国の支配を受けています。
[Wikipedia] 新疆ウイグル自治区
中国新疆ウイグル自治区の現状
現在は、中華人民共和国によるテロ対策を名目とした弾圧が、
ここ数十年で最大の強度と規模で行われているようです。
子供から70歳80歳以上の老人まで、中国共産党のウイグル支配のやり方に不満を持つ人たちを中心に、
「再教育訓練」を名目として拉致監禁し、拷問・殺人や強制労働などが盛んに行われているようです。
ロイター通信の記事では、その数は最低100万人と書いてあります。
漢族を除いた新疆ウイグル自治区の人口は約1500万人と考えられており、
そのうちの100万人が拉致監禁されているとしても、
東京都民は現在約1386万人ですから、東京で100万人以上が拉致監禁されたと考えれば、
その数に驚くばかりです。
中国の憲法には、中国人民共和国は中国共産党が支配することが核心部分に書いてあり、
憲法の一般部分や法律よりも中国共産党が上位にあり、
中国共産党軍が存在するだけで中国軍は存在せず(党軍があるだけで国軍が存在しない)、
中国の法体系では、中国共産党の現在の支配体制(方法)に反対する人はすべて、
犯罪者(テロリストやテロリスト協力分子)と認定されてしまうことになります。
日本含む世界22カ国が中国のウイグル弾圧政策を批判する書簡を国連人権理事会に提出
中国は、おそらく世界第二位のGDPであることや、領土拡張を今まさに行っている軍国主義独裁国家であり、
国連などの国際機関でも工作員を大量に送り込んで工作して大きな影響力を持っていることから、
国際社会はなかなか声を上げることができませんでしたが、
ここ数年の弾圧はここ数十年になく激しいものだという状況が次々に明らかになってきました。
欧米においては、
中国を元々批判してきた保守勢力だけでなく、リベラル勢力でもまともな人たちが動き、
遂に日本も含む22カ国が「中国のウイグル人(族)大量拘留」の停止を求めて、
国連人権理事会に書簡を提出しました。
CNNやジャパンタイムズによれば英・仏・独・スイスを含むヨーロッパ18カ国と、日本、オーストラリア、ニュージーランド、カナダとのことですが、
グーグルで検索しても国連のウェブサイトなどを調べてもこの書簡そのものの記事が出てこず、
ヨーロッパ18カ国の内訳も、書簡の全文も手に入れることができませんでした。
CNNはアメリカのリベラルメディアで、
かつて「ヒラリー・クリントン大統領候補」への肩入れが目立ち、
「クリントンニュースネットワーク」と揶揄している人が多くいました。
現在でもトランプ大統領への批判ばかりが目立っていますが、
人権問題などを始めとしてしっかりと中国を批判する記事も出していて、
安倍首相を批判するばかりで中国に対する批判はほとんどしない、
日本国内のリベラル系メディアにはしっかりと見習ってほしいものです。
7/11 [NHK NEWS WEB] ウイグル族の人権状況懸念の書簡 国連人権理事会に提出
7/11 [ロイター通信] 中国のウイグル族大量拘留、日本など22カ国が停止を要求
日本国内では、リベラル勢力が近年急速に力を失ってきたこともあるかもしれませんが、
それでも本来人権に敏感であるはずのリベラル勢力が中国の人権弾圧に対してほとんど声を上げず、
声を上げているのはほとんどが保守勢力であるように感じます。
正真正銘の人権弾圧には声を上げることができていない日本国内のリベラル勢力の不甲斐なさを見て、
有権者が彼らの偽善を見抜いているのかもしれませんね。
中国も手をこまねいて見ている訳ではなく、反撃に出ました。
ロシア、北朝鮮、キューバ、ベネズエラなどの37カ国が、
同じく国連人権理事会に書簡を提出しました。
貧しい独裁国家を中心に、中国を擁護しています。
(ロシアは一応民主主義国家ではありますが、自由国家とは言えません。)
日本や先進国は、貧しい国々に対して人道的観点から様々な支援をしている訳ですが、
ウイグル人を始めとする他人種の人権を疎かにするような国々と、
貧しくても他人種の人権も尊重する国と、
しっかりと援助に差をつけるべきではないでしょうか。
他人種の人権を尊重しない国が発展しても、世界に悪い影響が大きく出ます。
もちろん、「人権」が外交的な手段として利用されているという部分も一定はありますが、
表面的にでも人権を語らない(語れない)国が、内面的に人権を尊重する(できる)ことがあり得るでしょうか。
英文記事を読んで英語を学ぶ方法
さて、これまでに背景の説明をしつつ英文記事も紹介してきましたが、
当「多言語学習サイト・メモリーサポーター」の「貼り付けページ」を利用し、
下記の機能を活用し、これらの英文記事で英語を勉強してみましょう。
解析機能
- 単語の意味を一瞬で出す
- ログイン時に学習・復習すべき単語に枠を付けて一覧表を出す
朗読機能
- 10段階の速度で朗読させることができる
- 聞き流しなどの為に、記事の初めから終わりまで何十回も繰り返し朗読させることができる
辞書機能
- 4つのデフォルト辞書での意味がワンクリックで出る
- 他のネット辞書や検索サイトに変えることも可能
「貼り付けページ」の使い方は、下記の動画で5分弱で纏めてあります。
お薦め学習方法は、1記事当たり、
- 精読 5分
- 単語記憶 5分
- リスニング 5分
- 聞き流し 5時間
です。
読みたい英文で学習できる素晴らしい英語ライフをご満喫ください!!